eスポーツ実施時における高齢者の感情解析

<eスポーツとは?>

eスポーツとは、「エレクトロニックスポーツ」の略称であり、コンピュータゲームやビデオゲームを用いて、個人またはチームで対戦相手とゲーム内容を競い合うスポーツ競技です。若者を中心に普及しており、世界各国で大会が開催されるようになっています。

<日本の高齢化率について>

現在、日本は世界で最も高齢者の人口比率が高い国です。そのため、高齢者の健康寿命を延伸する必要がありますが、これを妨げる要因の1つとして、認知症が挙げられます。日本の65歳以上の高齢者における認知症発症の割合は年々増加傾向にあるため、認知機能を維持・向上させることが課題となっています。

<eスポーツと高齢者>

「ゲームをプレイすること」や「人と関わりを持つこと」は、認知機能に良い影響を与えることが明らかにされています。したがって、高齢者がeスポーツを行うことは、認知機能の維持・向上に効果的であるのではないかと考えます。実際、近年の急速なデジタル化に伴い、高齢者がeスポーツを行うという事例は増加しています。しかしながら、eスポーツが高齢者の認知機能に良い影響を与えるかどうかを調査した研究というのはまだ少ないのが現状です。
そこで、我々の研究グループでは、「eスポーツを行う高齢者」を対象とした研究を行っています。

<感情解析について>

我々の研究グループでは、高齢者がeスポーツをどれだけ楽しめているかを解析するために、eスポーツ中に高齢者の方が発する「感情」に着目しています。
対象者の心理状態を把握する上で、「感情」はとても重要な情報源です。
そこで、対象者に発生した感情が何であるかを推定するために、我々は可視カメラを用いて取得した「顔の色情報」と、熱赤外カメラを用いて取得した「顔の温度情報」を解析しています。
 ※「熱赤外カメラ」に関してはこちら → 顔の皮膚温度変化に着目した研究