リモートセンシング

<リモートセンシングとは?>

人工衛星や航空機などに搭載したセンサ(観測機)を使って、離れた場所から直接触れることなく対象物について調べる技術です。

特徴
  1.  広域性  : 広い範囲を一度に観測できる
  2.  周期性  : 同じ場所を定期的に観測できる
  3.  非接触性 : 触らずに観測できる

<リモートセンシングの活用分野>

危険地帯や海といった、人の行きにくい場所でよく活用されています。

リモートセンシングの活用例その1 - 湖の汚濁状況把握 -

八郎湖は、秋田県の北西部、男鹿半島の付け根に位置している湖です。
八郎湖の水は、農業用水として利用されています。

現在、八郎湖では水質汚濁が問題化しています。
夏季になると水面が緑色に濁るアオコが発生し、 景観の悪化や悪臭などの被害が見られています。
八郎湖の水環境の保全と回復のため、秋田県では水質を測定し、汚濁状況の把握が行われています。
しかしながら、水質測定では点情報しか得られないため、八郎湖全体の状態把握は困難となっています。

そこで、広い範囲を一度に観測できるリモートセンシングを使用し、八郎湖の汚濁状況の把握を行っています。
研究に用いているリモートセンシングには人工衛星を用いた方法と,UAVを用いた方法があります.

下の図は、人工衛星から撮影されたリモートセンシングデータから作成した汚濁分布図です。
図に示される赤い箇所は、汚濁程度の高い領域を表しています。

UAVを用いたリモートセンシングでは、下の図に示すようなUAVを利用してリモートセンシングデータを取得します。
人工衛星よりも高い分解能を有する点が特徴です。

 研究の遂行にあたり補助金の提供を頂いております:八郎湖地域連携推進事業費補助金(生活環境部 環境管理課八郎湖環境対策室)

リモートセンシングの活用例その2 - 震災廃棄物の推定 -

2011年3月11日に、東北地方太平洋沖地震(東日本大震災)が発生しました。
発生した地震とそれに伴う津波により、膨大な震災廃棄物が発生しています。

震災廃棄物の例

大規模な災害からの復旧・復興を行うためには、復旧・復興計画の立案が必要です。
これら計画の立案には、まずはじめに震災廃棄物量の推定を行う必要があるため、迅速かつ正確な震災廃棄物量推定が課題となっています。

リモートセンシングは、広範囲の情報を瞬時に取得可能な技術です。
このため、リモートセンシングを使用することで、迅速な廃棄物量の推定を行うことができます。

例として、「土地被覆分類」を用いた廃棄物量の推定方法を紹介します。
「土地被覆」は土地の被覆状況に応じて、対象領域をいくつかの領域に分類することを言います。
土地被覆分類により、どのように土地被覆物が分布しているかがわかります。